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うさぎとファンタジー

ばらばらな思いを整理する雑記帳。

おんな城主直虎(15)おんな城主対おんな大名

あらすじ

  とうとう寿桂尼駿府へ呼び出された直虎。井伊谷の家臣たちは直親が道中で殺害された事件を思い出してざわめく。再度後見を自分に譲るよう説得する政次をはねつける直虎。南渓和尚や母祐椿尼に、危なくなったら後見の地位など放り出して帰って来るようにと頼まれる直虎。道中の護衛を頼もうとした中野直之とは喧嘩してしまい、直之は完全にヘソを曲げてしまう。結果として龍潭寺の僧たちを護衛につけることになる。その裏でこっそりとしのに直虎を後見に望まぬという内容の書状を書かせる政次。最後に御初代さまの井戸で直親へ祈りの言葉をかける直虎。

  出立の日、緊張の面持ちで出発して行く直虎、政次、お付きの僧兵たち。それを不機嫌そうに見送る中野直之に、南渓和尚が瀬戸村の百姓たちに字を教えに行くのを手伝ってくれと頼む。慣れぬ筆使いで字を練習する瀬戸村の村人たちに囲まれる中野直之駿府から直虎に呼び出しがかかったことを中野直之が漏らすと、瀬戸村の村人たちはいきり立って助けに行こうとする。「直虎さまはおんなだに!お守りできんじゃ、おとこじゃねえわ!」と怒鳴る八助に、黙り込む中野直之。結局南渓和尚が秘策があると言ってその場を収める。

  その夜、どこかの屋敷に一泊する直虎は、緊張のせいかどこか元気が無くふさぎ込んでいる様子。部屋の周辺は僧兵が見張りをしている。そこに厠へ行こうと政次が通りかかった時、部屋の中から直虎の悲鳴が聞こえる。慌てて駆けつける僧兵たちと政次だが、傑山がすばやく政次を羽交い締めにする。襖を開けると、長い蛇が直虎へ向かって来ていて、直虎は腰を抜かしている。昊天が無事に蛇を確保し、政次も解放されるが、すっかり怯えてしまって動けない直虎。

  同じ頃井伊谷では、小野家に嫁いだなつが南渓和尚に政次のことを相談していた。政次には子がいないのに強硬に後見になろうとするのが解せない、実は今川から井伊を守る盾になろうとしているのではないか、と。南渓和尚は微笑みながらわからん、と言い、続けて「もしそれが政次の本意であったとして、政次はそれを認めぬじゃろうのお。それが本意であることがわかれば、もう盾にはならぬからのお」と微笑んだ。

  翌朝、出立しようとする直虎に、政次がこっそりと「おとわ」と囁いた。そして危険な目にあうかもしれないから後見を譲れと説得する。そこへ倒れて来る木と、木に突き刺さる斧、そして謎の侍による襲撃があり、怯えて即座に逃げる直虎。僧兵たちは応戦し、政次が直虎の後を追った。しかし、逃げる先に待ち伏せするように謎の侍が現れ、立ちすくむ直虎。政次は物陰に隠れて刀を抜き、助けようと身構えるが、そこに飛来した矢が曲者へ突き刺さる。現れたのは中野直之、あっという間に10人を超える侍をバッタバッタとなぎ倒し、平然とした顔をしている。「男の真似をしようが、直虎という名を名乗ろうが、そなたはおなごじゃ。そこですくんでおられたが何よりの証拠じゃ」と直虎を怒鳴りつけ、思わず反論しようとする直虎に、むしろ優しい声で、「守れねば、こちらの立つ瀬がないというておるのじゃ」と言った。絶句する直虎に駆けつけて来る僧兵たち。みな戦い疲労している様子だが、無事である。

  決意した眼差しで、直虎は政次に、後見を譲ると申し出た。自分が来たからには大丈夫と言いたげな直之を制して、命あっての物種だからと、目を伏せながら、「かように恐ろしいのはもうたくさんじゃ」と呟いた。結局、政次とお付きの者のみが駿府へ向かうことになった。それを見送った後、直虎は直之に、「之の字(ゆきのじ)」と呼びかけ、頼みごとをする。

  駿府寿桂尼に政次が後見を譲られた話をしているところへ、中野直之が書状を持って来たという知らせが飛び込み、驚く政次。寿桂尼が面談に応じると、そこにいたのは中野直之ではなく、中野直之の服を着た直虎であった。驚く寿桂尼と政次に、直虎は、何者かに襲われたためどうしても下知に従いたく政次を隠れ蓑に使ってなんとかたどり着いたと言う。仮名目録の文言に従ったまでで下知に逆らいたくはなかったと主張する直虎に対して、義元公の追加の掟によって守護不入より下知が優先されると言う寿桂尼。徳政令を実行せよと言う寿桂尼に対して、では後見をお認めくださるのかと食い下がる直虎。そこに政次がしのの書状を出したため、直虎は形勢不利に陥る。下を向く直虎。

  そこに、井伊から文が届く。長い長い文に「瀬戸村、祝田村一同、井伊直虎様の後見を、伏して願い奉りまする」と書いてあり、汚い字で一人一人署名がしてあった。そして南渓和尚の一言が添えてあった。「かつて義元公は己の力量を持って国を治むとのたまわれり。比ぶべくもない小さき力量なれど、直虎にもそれをお許し願いたく存じ奉り候。なぜならば、それが井伊の民が望むところゆえ、お伝え申し上げたくお目汚しとは承知の上差し出したる次第にて候」

  寿桂尼が試すように、直虎にどのように国を治めるかを問うと、直虎は「潤すことで」と答えた。「国というのは、まず民が潤わねばなりませぬ。民が潤えば、井伊が潤います。井伊が潤えば、それは今川が潤うことになっていくと、私は考えます」と。寿桂尼は目を潤ませ感動した様子で、「そなたに後見を許す」と言った。ただし次はないと釘をさしながら、寿桂尼は退出していき、直虎は感激して頭を下げる。

  館から出ると、奥山六左衛門が安心したように駆け寄ってきた。直虎は驚いて「六左(ろくざ)」と呼んだ。文を届けてくれたのは六左衛門だったのだ。そして井伊へと帰還する直虎は、瀬戸村の百姓たちに温かく迎えられる。そして、なつや僧兵たちや母祐椿尼へ帰還の挨拶をする。井伊直虎、ただいま戻ってまいりました!」

  南渓和尚は御初代様の井戸へ酒を捧げて感謝を示す。なつは政次の生き方を支えるために、小野家へと戻る決心をする。一方で今川氏真は直虎が後見についたことを面白く思っていない様子であった。

 

感想

  直虎にも仲間が増えてきて、之の字、六左というあだ名までついた!少ない家臣をなんとか味方につけることができて、四苦八苦したけどちょっとずつ前へ進んでいるよ。中野直之にはもっと苦戦するかと思っていたんだけど、「おんなは引っ込んでろ」って感じだったのが「おんななんだから守らせろよ」みたいに変化するとは、あまりに予想外すぎてちょっとだけときめいてしまった。しかしすぐに之の字扱いだから、直虎はときめかなかったのかなー?どうなのかなあ。ちょっと急に変化しすぎかなって思ってたけど、内心では拮抗してる感じだったのかもしれないね。意地っ張りだっただけで。直虎は弱々しくはないし頭もいいから負けた気分だっただけかもしれない。

  そして登場自体はずっとしてたのにいいところが全くなかったのが政次で、蛇に襲われた時、謎の侍に襲われた時、どっちも見ているだけだったからかなり不甲斐ない気持ちになったんじゃないかな。もうすこし見せ場が欲しいよね。これじゃあただの敵、のような。

  そして直虎はまた絶体絶命のピンチから生還した奇跡の人になったね。もちろん、ちゃんと認めてもらえるはずと思ってたけど、殺そうとしてくる相手だからね…絶対に大丈夫かはわからなかったけど、村人たちと南渓和尚のアシストがあって乗り切れてよかった。南渓和尚は言うことがいちいち名言というか、心に響くから不思議。長生きして欲しい。

  次は新しい登場人物が現れるみたい!