うさぎとファンタジー

ばらばらな思いを整理する雑記帳。

おんな城主直虎(4)女子(おなご)にこそあれ次郎法師

2017・1・29放送

キャスト

  • 昊天小松和重)…次郎法師の兄弟子。物静かであり厳しい人柄。
  • 傑山市原隼人)…戦う僧といったいでたち。優しい目で見守ってくれる。

 

あらすじ

  おとわは井伊谷に帰ってくる。ほっとする井伊家の面々。おとわが今川に行っている間に直平に誘拐されていた鶴丸も帰宅し、親の小野政直に「これ以上井伊家に目の敵にされるようなことをしないでくれ」と訴える。

  おとわはよく考えると出家してしまえば亀之丞と夫婦になれなくなることに気づいて、今更嫌がりだすが、母千賀の「井伊家のために頑張ってえらい、三国一の姫だ」と持ち上げられてすぐ機嫌をよくする。南渓和尚は在家において尼になるより、井伊家のすぐそばの龍潭寺に引き取りたいとおとわの父直盛に言い出し、おとわは無事出家し、次郎法師となる。次郎とは代々井伊家の総領息子につける名前とのこと。

  しかし、修行という名の家事と農作に疲れた上に少量の玄米とたくあんしか食事がないのに嫌気がさし、当日の夜実家に帰ってご飯を食べているところを母千賀に見つかり、「井伊家の本領安堵と引き換えの出家なのに、戻ってきて井伊家を潰すつもりか」と怒られて、逆に「こんなところもう戻ってこない」と言い返して家を飛び出してしまう。心配そうに見守っていた父直盛の前で、いつもは表に出さない子を思う悲しみを垣間見せる千賀。本心では追い出したくなかったのである。それを見て、自分の不甲斐なさを感じる父直盛。一方でおとわは雑魚寝の布団の中で泣いていた。

  また、直満が謀反の疑いをかけられた一件において密かに殺害されていた北条家からの密使の息子が現れ、仇を討とうとしているという話が舞い込み、血気盛んな隠居の直平が小野政直のことを教えてやれば自動的に小野が暗殺されると喜びだす。難色を示す直盛だが、家臣たちは乗り気であった。それは小野政直が、井伊直満の所領を譲り受けるように今川に下知されたと言い出したからだった。

  おとわはお腹を空かせて労働に励んでいると、南渓和尚に托鉢を勧められる。勇んで飛び出していくおとわだが、托鉢の何をも知らず、恵んでくれと村をさまよい邪険にされる。さまよううち、農家からカブをなんと盗んでしまい、ご初代さまの枯れ井戸で土がついたまま貪っていると、鶴丸がやってくる。鶴丸になきながら「こんな生活嫌だ、鶴丸と夫婦約束すればよかった」と言いだすおとわ。亀之丞の竜宮小僧になると約束したのに、という話を聞いて鶴丸は「竜宮小僧ならば僧であってもなれる。むしろ僧の方が助けられることが多い」と助言しおとわを元気付ける。それをこっそり見てしまう直盛。

  おとわは南渓和尚に竜宮小僧になるにはどうしたらと相談すると、竜宮小僧の真似をすればと返され、上機嫌で飛び出していく。昊天がどうしておとわをわざわざ龍潭寺に引き取ったのかと質問すると、南渓和尚は「おとわはあんな歳で今川の下知を覆して見せた、類稀なるおなごだ。赤子のご初代さまを発見された僧も、一目見て尋常ならざるものを感じたというが、私もおとわに同じものを感じた。あれは次郎。おなごという形を取っているがあれは次郎だ」と言った。おとわは以降竜宮小僧の真似をして人々を助け、代わりに食事を恵んでもらうようになる。

  一方で直盛は、小野政直を狙った刺客をあわやというところで傑山に頼んで取り押さえてもらい、その代わりに直満の所領を半分諦めるように小野に言いつける。それは鶴丸から父親を奪ってはいけないという優しさからであった。

  おとわの元に瀬名から、龍王丸に勝ち今川の嫁の座を約束してもらったと、喜びの文が届く。しかし亀之丞からはなんの便りもないまま、生死も不明のまま、9年の月日が流れる…。

 

感想

  おなごにこそあれ次郎法師。いい言葉だなあ。

  南渓和尚が出てくるたびに名言を吐く役になっている!おとわのことを信頼して勝手をやらせていて、いずれ井伊家の当主になると実は思っているのかな。

  父と母の思いも描かれて、子供編締めくくりにふさわしい綺麗な回だった。泥だらけになっていたおとわを除いて。竜宮小僧になろうとする優しい次郎法師の誕生でした。笑顔が眩しいよ。

  小野政直が本当に今川に密告したのか、証拠もないしわからないけど、すごく疑わしい状況で、よくお父さんは小野を庇ったなと感心した。それもこれも子を思う愛情からなのかな。鶴丸はやっぱり優しい目でおとわを見守ってて、みんなおとわのこと好きでほんわかした。

 

  もう子役たちが回想でしか見られないのが残念なくらい濃密に描いてくれてありがとう、って思った。